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珍しいバラが高いワケ

 普通に市場を通してお花屋さんへ花が流通する場合、一般的には「需要と供給」の関係でバラの価格も決まります。(そうでない場合もありますが、それは置いておきます。) 欲しい人が多く、提供できる数が少ないほど、価格は高くなると言う仕組みです。
 ただ、これは市場の仕組みで、生産の現場にはまた別の事情があるのです。

 

理由1 花持ちのよい品種は、成長も遅い!

 「花持ちが良い」ということは、簡単に言うと、「老化が遅い」ということです。老化は、機能が衰えてゆく成長ですから、成長の早さと老化の早さはほとんと同じです。
 花持ちが良い品種は、多くは成長も遅くなります。例えば、成長の早い品種が3回採花できる期間に、1回しか採花できないといった具合になります。
 ですから、どうしても、花持ちの良い品種は成長に時間がかかり、一本あたりの成長にかかるコストも高くならざるを得ないのです。

 早めに切ってしまうと、その薔薇の美しさを引き出せないばかりか、途中で萎れてしまったり、開かないままに萎れてしまうこともよくあります。
  一番美しい状態のバラをお届けするためには、辛抱強く待たなければならないのです。

■ドニャソルの例
 そろそろ開いてきました。  3日後、まだ少し固いな〜 更に3日後、
ようやく採花間近!
■オリビアの例
 固い蕾です。 3日後くらい
ようやく花びらが開きはじめ!
3日後 これでもまだ固め。
一体いつになったら咲くの〜?
     

CASE2 一株あたりから採花できる本数が少ない

 同じ数だけ苗木を育てても、そこから採花できる本数は、品種によってまったく違ってきます。
 品種によっては、少なすぎて採算割れをしてしまいそうなものもあります。
  どこまで本数が出るかは、育ててみないと分かりませんから、後から「しまった!」ということもあります。
 リトルマーベルや、ダブルピンクなどは一株からの採花数が非常に多く、向こうが見えないくらいです。
  逆に、 ドニャソル、ライムやプロフィッタ、ミミエデンなどは、一株から採花できる本数がかなり少な目になります。
  そういう場合は、どんなによいバラでも一本あたりの単価を高く設定しないと、採算割れをしてしまいます。

 私たちもバラが好きで育てているので、この薔薇は素晴らしい!育てたい!と思う品種もたくさん出てきますが、本数が出ない上に価格にも反映されず、泣く泣くあきらめてしまうこともあります。

ダブルピンク。本数は多め エスタ。本数は普通くらい ミミエデン。向こうが透けて見えます。
ダブルピンク

エスタ

理由3 病気になりやすくて、育てるのがタイヘン!

人気はすごくあるのに、めったにお目にかかることがない、そんな品種はありませんか? 
 そういう場合、育て方がとても難しい場合が多いのです。

ミミエデンの葉

 例えばこの写真は、ミミエデンの葉です。
  斑点のような模様がご覧いただけると思います。
  この場合、薬を散布してあるので、 この程度で済んでいるのですが、消毒をしなければ、一晩のうちにすべての葉が落ちてしまうことがあるのです。

 トン、と軽い衝撃を与えると、一斉にバラバラと落ちる葉…。
  思わず呆然としてしまいます。

 

 その他の品種も、個性によってそれぞれ違う病気に弱い特徴を持ちます。
  もちろん、当園でも様々な予防措置を講じていますが、そのためには手間もコストもかかります。
  珍しいバラ=生産者が育てにくい(難易度の高い)バラ、と考えて頂いてもよいと思います。

 こういうバラは、生産者が栽培方法を工夫し、試行錯誤を繰り返して、ようやく「よいバラ」として商品化することが可能になります。

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